白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
それからは、ご飯を食べていてもお風呂に入っていても、わたしはずっとブスッっとしたまま。

お父さんの晩酌にもつき合ってなんてあげなかった。

ふんっ。


お父さんはわたしをからかって楽しかったかもしれないけど、本人は全然楽しくないし。

あのまま2人で帰ったほうがよかったかって聞かれたら、やっぱりそれはそれで困る。

・・・・けど、もっと違う話題でもよかったじゃん。

今年は甲子園狙えるかとか、チームの調子はどうかとか、プロ野球中継の話だって、なんでもよかったじゃん。

そう思う。


お父さんだって稜ちゃんだって野球バカなんだから、野球の話ならいっぱいあったのに。

なんで娘のアホなところばっか言うかな、お父さん!

お嫁に行けなくなったらどうすんのさっ・・・・!

こんなことをずっと考えていて、結果、わたしはご立腹だった。





「はぁ・・・・。お守り作ろっと」


一通り腹を立てると、どうしてか気持ちってスッキリするもので。

お風呂に入ったあと、寝る前に何個かお守りを作ることにした。
 

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