白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「笑わないでよ・・・・。お腹が鳴ったのはしょうがないよ、ペコペコだったんだから」

『ぶっ・・・・!』


稜ちゃんのやつ、今度はお腹をよじって笑い転げてる。

その様子を見るわたしは、怒りたいけど怒れなくて苦笑い。

あぁ、また墓穴掘っちゃったよ、わたし・・・・。


「ねぇ・・・・そんなにおかしい?」

『わりぃ、わりぃ。俺的にツボだったから。つい』


“つい”って!


「笑いながら謝られても・・・・」


わたしはプクッと膨れた。


『ほんと悪かったって!もう笑わないから機嫌直せ。な?』

「・・・・うん」


稜ちゃんがツボでも、わたしは全然嬉しくないよ。

好きな人の前では少しでもかわいらしくしたいのが女の子ってやつなのに・・・・。


『てるてる坊主さ・・・・ふはっ!』


ほらっ、また笑う!


「てるてる坊主がどうかした?」


ちょっとムッとしながら、まだ笑う稜ちゃんに聞く。

・・・・なにがそんなにツボなのか、どこら辺がツボなのか、いまだに分からない。
 

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