白球と最後の夏~クローバーの約束~
・・・・そして今日、稜ちゃんに頼まれていたてるてる坊主を渡しに行ったとき、偶然聞いてしまったこと。
岡田君が「花森をもらう」と言ったこと・・・・。
話の順番もメチャクチャで、うまく言葉では説明できなかったかもしれない。
でもココちゃんは、そんなわたしのまとまりのない話を延々と聞いてくれた。
そのおかげで、話し終わるころには、もう涙もだいぶ治まったわたし。
いつの間にか、窓の外はオレンジ色の夕焼けに染まっていた。
「今朝から百合の様子がどっかおかしかったのは、岡田のせいだったんだね・・・・」
“うん、うん”と相づちを打って話を聞いてくれていたココちゃんは、わたしの泣き腫らした真っ赤な目を真っすぐに見て言った。
「わたし・・・・どこか変だった?」
うまく誤魔化したつもりだったけど、ココちゃんにはバレバレだったみたい。
ココちゃんは、にっこりと微笑んで1回頷いた。
「それで?」
「へっ?」
「百合はどうするの?」
ココちゃんはグ〜ッと背伸びをして窓の外の空を見た。