白球と最後の夏~クローバーの約束~
大したことじゃないんだろうな、なんて身構えずにいると・・・・。
「あたし、岡田とはもう終わってんの。去年の夏に」
・・・・はいっ?
「え? え? は・・・・初耳だよ、それっ!」
ココちゃんのあまりにも突然な告白に、わたしは椅子から転げ落ちそうになった。
ココちゃん、彼氏がいる素振りなんて全然見せなかったのに・・・・。
「だって言ってないも〜ん」
そう言うココちゃんは、語尾に音符マークでも付ける勢い。
それから、舌を出して、かわいらしくテヘッと笑う。
そんなココちゃんを見ていたら、わたしの頭は変な方向に働いてしまった。
今まで泣いてたことなんてすっかり頭から抜け落ちて、ココちゃんの恋愛事情に頭がすり変わっちゃったんだ。
例えば、いつからで、どれくらいつき合っていたのかな? とか。
今の2人の関係は? とか、つき合っていた頃はどんな会話をしていたの? とか。
それから・・・・どういうきっかけで別れたのかな? とか。
そんな質問が、次々に頭に浮かんでは消えていった。