白球と最後の夏~クローバーの約束~
ココちゃんに話を聞いてもらったおかげで、わたしの心はすごく軽くなった。
それから、稜ちゃんを想う気持ちにも、岡田君の気持ちにも“真っすぐに向き合おう”と、そう思うことができた。
ココちゃんがわたしの親友でいてくれて、本当によかった。
ありがとう、ココちゃん・・・・。
そうして、しばらくの間、他愛のない会話をしていると、気づいた頃には外は夜へと変わりはじめていた。
きれいなオレンジ色だった空が、夜の濃い藍色に押し流されようとしている。
時計を見ると、部活終了のチャイムまではあと30分。
わたしたちは「終わっちゃうよ!急げ!」って目を見合わせて、急いで席を立った。
ココちゃんは長いこと抜け出していた部活へ、わたしは野球部の部室へ・・・・。
笹本先生にもみんなにも謝らないといけないし、傘とてるてる坊主のその後も気になる。
ココちゃんは「あたしもついていこうか?」って言ってくれたけど、いつまでもココちゃんに頼ってばかりはいられないものね。
「大丈夫だよ!ありがとね!」って言って、教室で別れた。