白球と最後の夏~クローバーの約束~
そうしてすぐに、わたしは“善は急げ”とばかりに携帯のメール画面を開いた。
ココちゃんには“話したら?”って言われたけど、やっぱり電話では言えなくて。
こういうときにすごく便利なメールに、わたしの気持ちを乗せることにしたんだ。
お気に入りのプーさんのぬいぐるみを抱いて、ベッドにちょこんと腰掛ける。
そして、ふぅーっと大きく深呼吸をしてから、ピコピコと文章を打ち込んでいった。
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2009/6/20 22:17
TO:稜ちゃん
今日は早く切り上げて
ごめんね。
駅ビルの中、もっと見
て回りたかったよね。
でもなんか・・・・。
わたしがネクタイ選ん
であげたかったのに、
店員さんと仲良くして
たから、それが少し嫌
だったんだ・・・・。
本当にごめん。
今日のことは気にしな
いでね。
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そこまで無意識に打ち込むと、とたんにハッ!と正気に戻る。
「・・・・なにこれ」
なんか変、このメール。
絶対に変、このメール。