白球と最後の夏~クローバーの約束~
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2009/6/20 22:55
FROM:稜ちゃん
俺が悪かった。
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「そんなことないよ、わたしが勝手に・・・・」
いけない。また涙が出てきた。
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2009/6/20 22:58
TO:稜ちゃん
どうして謝るの?
謝るのはわたしの
ほうだよ。
ごめんね。
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こういうときだけは、なぜかすんなり頭が働いてくれる。
涙でぼやける画面に目をこらしながら返信を打って、すぐに送信ボタンを押した。
すると────・・
今度は大好きな曲の着うたが流れてきて、それが稜ちゃんからの着信を教えてくれた。
それは岡田君に“ごめん”と言った日以来、2度目の電話だった。
ピッ。
「も・・・・もしもし?」
緊張でブルブルする指で通話ボタンを押して、声を震わせながら電話に出る。
『おぅ。・・・・今日は悪かったよ。俺、自分で選んでほしいって言ったくせに勝手に決めて。その、ごめん』