白球と最後の夏~クローバーの約束~
稜ちゃんにとっては何でもないこと、むしろ、ご機嫌取りのためにしてくれたことかもしれない。
でも・・・・でもね、稜ちゃん。
わたしには誰にどんなことをされるより嬉しくて、幸せや愛しさが洪水みたいに溢れるんだよ・・・・。
分かってる?
稜ちゃんがこんなふうにいろいろとしてくれると、もう気持ちが止まらなくなるんだよ。
“好き”
それだけでよかったあの頃には、わたしはもう戻れない。
きっと、どう頑張ったって無理。
一緒にいたい、デートがしたい、手をつなぎたい、抱きしめてもらいたい、キスしてほしい・・・・。
もちろん───・・
キスの先だって稜ちゃんと・・・・。
稜ちゃん以外は考えられない。
稜ちゃんはいつもわたしを驚かせてくれて、幸せにしてくれて・・・・そして、切なくもさせる。
胸を締めつける。
「好きだよ、稜ちゃん・・・・」
わたしは、流れ星のように舞い降りてきたてるてる坊主にそっとキスをした。
愛しい愛しい、稜ちゃんへの想いを込めて・・・・。