白球と最後の夏~クローバーの約束~
たなばた・:*:・゚☆
2度目のお出かけの日から駆け抜けるように日々が過ぎていった。
そう・・・・あの、駅ビルの紳士服売場の店員さんに、生まれて初めて“嫉妬”という感情を持ったあの日から。
てるてる坊主がわたしの手元に戻ってからは、空は思い出したように大粒の雨を降らせていた。
季節はいよいよ梅雨本番。
そして、いよいよ期末試験本番。
ココちゃんとわたしは、ちんぷんかんぷんな教科書を穴が開くほど見つめる毎日。
でも、梅雨のジメジメにうっとうしさを感じながらの勉強は、なかなかはかどるはずもなくて。
結局、こうなっちゃう。
「ねぇ百合、長谷部君とはボチボチやってるの?」
「うぇっ!? ・・・・え、な、何を言い出すの!ココちゃんっ!!」
「だってさぁ〜、むふっ。手ぇつないだんでしょぉ?」
「ココちゃん、勉強しようよ」
「百合には恋のお勉強がお似合いなんじゃないの〜?」
「はぁ・・・・。勉強勉強!わたし、赤点取りたくないし」
ニヤニヤ冷やかしてくるココちゃんをうまくかわしながら、恋愛話で時間が過ぎる毎日。