白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
笹本先生に用事があって職員室に行ったときにまで、全然用事がない担任の先生にわざわざ手招きされてこう言われたほど。


「小堀と花森を足して2で割れればちょうどいいんだけどな」


って。

先生は冗談で言ったと思うんだ。


「まったくその通りですね!」


でもわたし、先生に言われなくてもその通りだと思っていたから、こんなふうに大真面目に返しちゃって。

すると先生は大爆笑・・・・。


「何がおかしいんですか?」


そう聞いてもずっと笑っていて。

先生といい、稜ちゃんといい、岡田君といい、わたしのちょっとした発言で爆笑する人がどんどん増えていった。

・・・・何がツボなのか教えてもらいたいよね、そんなに笑うんなら。

まさかの“天然ボケボケキャラ”なわけないんだし。

ね・・・・?




















そして───・・


梅雨が明けたばかりでなかなかコンディションが整わないグラウンドでは、また部員たちの活気に満ちた声が響きはじめた。
 

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