白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
雨が降ったあとのグラウンドは、あちこちで大小さまざまの水溜まりができている。

そこを避けることなく、バシャバシャと泥水を跳ね上げて練習にのめり込む稜ちゃん。

そして、部員たち。

真っ白だったユニホームは、練習が終わる頃には真っ黒。

顔にまで泥を付けた全身泥んこの部員たちは、それでも楽しそうに・・・・誇らしそうに、ユニホームや顔に付いた泥を払っていた。





季節はもう7月───・・





みんなの熱気と、サンサンと降り注ぐ夏の太陽。

熱い暑い夏が、もうすぐそこまでやってきている。

マネージャーのわたしは、みんなのサポートやら応援グッズ作りやら、いろんなことで目が回りそうなほど忙しい毎日。


そんな中で、生徒たちのほうも学校を上げての野球部の応援練習がいよいよ始まった。

全校生徒が体育館に集まって、応援団を筆頭に野球部の応援のためだけに一生懸命練習をしてくれている。

吹奏楽部のみんなも、応援に花を添えるために一生懸命練習をしてくれている。


いよいよだね、稜ちゃん・・・・。
 

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