白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
わたしが耳まで真っ赤にして大袈裟に反応するものだから、岡田君は満足そうにニヤニヤ笑う・・・・。

わたしをからかって遊ぶのが大好きな“皮肉王子”のお出ましだ。


嫌いじゃないけど好きにはなれないタイプだ、と、このときわたしは本気で思った。

やっぱりわたしには無理。・・・・いろんな意味で。


「もうっ!真面目なんだか不真面目なんだかどっちかにしてよ!」


体勢を立て直すために後退りをしながら、ジワジワと岡田君と距離を置くわたし。


「ガキだなぁ・・・・プッ!」


う〜っ!まだ笑うかっ!

岡田君が悪いんじゃん!


「もういいっ!」


岡田君なんかに構っていられないと思って、そう言ってわたしはプイッ!とそっぽを向いた。

こうやって人を困らせるのって、岡田君の趣味なんじゃないだろうか。

はぁ・・・・。


ん? となると・・・・。


「ねぇ、今って、キャプテンとケンカとかしてないよね?」


そうそう、そうなんだ。

前のことがあってから、ずっと胸につっかえていたんだ。
 

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