白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
今までピリピリした雰囲気だった部員たちはそこでブッ!と吹き出し、わたしは失笑・・・・。

先生ったら、一言多いよ。


そして、気を引きしめるようにコホンと小さく咳払いをすると、先生は、今度は岡田君を見ながら口を開いた。


「岡田も部を辞めずにみんなをよくサポートしてくれた。・・・・皮肉を言う口は糸で縫ったほうがよさそうだがな」

「それって先生のほうじゃね?」


岡田君が間髪入れずに皮肉を言うと、また部室にみんなの笑い声が響いた。


「・・・・とにかくだ!」


2つ笑いを取って場を和ませた先生は、みんなを手で制しながら最後のまとめに入る。


「この2人のためにも、お前らは力を精一杯発揮してくれ!特に3年生はこれが最後の大会だ。悔いだけは残さないように!」

「「「はいっ!」」」

「よし、全員着替えてグラウンドに集合だ!」

「「「はいっ!」」」


・・・・あれっ?

先生が先頭になってみんなの音頭を取っているけど・・・・。

みんなも何一つ疑うことなく練習の準備を始めているけど・・・・。
 

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