白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
そんな中で稜ちゃんに目を向けると、先生に突っ込みを入れたわたしを見てケラケラ笑っていた。

それから、みんなには分からないように、親指を立てて“最高!”って口パク。

もう・・・・。

不意打ちすぎてキュン死にしかけちゃったよ、わたし。



みんなブーブー言っているけど、こんな部分もある笹本先生が大好きで、すごく尊敬しているんだ。

笹本先生は一見厳しそうに見えるけど、誰よりも部のみんなのことをちゃんと見てくれる人。

さっきの名台詞がその証拠。

マネージャーのわたしたちにも、きちんと目を向けてくれていた。


それに“野球、野球”って言っているときの先生は、もう先生の顔じゃないからね。

だから、熱が入りすぎて授業のことが頭から抜けちゃったんだと思うんだ。・・・・仕方ないよね。



「ほら!夏休みに補習したくなかったら、さっさと授業に行け!」


まだブーブー言うみんなに稜ちゃんが発破をかける。

さすが稜ちゃんっ!

本当、頼もしいキャプテン。

はぁぁ、この背中に一生ついていきたい・・・・。
 

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