白球と最後の夏～クローバーの約束～

翔南校戦･:*:･ﾟ☆

　
大会３日目
第４試合───･･



詰めかけた観客たち、青雲高校の応援団、生徒たち････。

その上に、夏の午後の日差しがジリジリと焼けるように暑い今日。

今日は、青雲高校野球部にとって甲子園への道のりの第１歩となる大事な日。


初戦、翔南校戦････。


今までたくさん練習をしてきた。

雨でも風でも雪でも、どんな日でも、一生懸命に練習をしてきた。

練習試合だってたくさんやった。

その成果が発揮される日。

大事な大事な初戦････。

その日がとうとうやってきた。

早く来てほしかったような、まだ来なくてもいいような････そんな複雑な気分。





県営球場に向かうバスの中で、わたしはみんなにお守りを配った。

53個のお守り。

スカイブルーのフェルトの生地、手首にかける紐は桜色、白い刺繍は『青雲』････。

青い空と白い雲。

桜色の紐は、春に見たグラウンドを囲むようにして植えられた、あの満開の桜。

そのイメージを、わたしなりに精一杯お守りに込めたんだ。