白球と最後の夏~クローバーの約束~
力強いその声を聞いた先生は、大きく頷いて力の限りに叫ぶ。
「ここまでお前たちと心を一つに戦えたことに感謝する。青雲は素晴らしいチームだ。青空の下で校歌を聞こう!」
「「「オォーーッ!」」」
控え室の壁がベリベリと剥がれ落ちるんじゃないかと思うほどの、腹の底まで響く雄叫び。
これほどまでに心がうち震えることって、人生の中で一体どれくらいあるんだろう・・・・。
ただ1つ言えることは、この日のこの決勝は、わたしの人生の中で死ぬまで忘れられない試合になるということだけ。
それだけ。
間違いないよ・・・・。
そしていよいよ・・・・。
いよいよ、雌雄を決する最後にして最高の舞台───グラウンドに向かうときがやってきた。
先攻は西ノ宮、後攻は青雲高校。
笹本先生を筆頭に、三塁ベンチへ向かう通路を歩く稜ちゃんたち。
その勇ましい姿を見つめながら、わたしもお守りと千羽鶴を抱きしめて一番後ろをついていった。