白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
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試合前のほんのひとときは、こうして和やかに過ぎていった。

そしていよいよ、決勝戦はプレーボールの合図を待つのみ。


試合前の最後の練習を終えて、グラウンドの中央で西ノ宮の選手たちと固くあいさつを交わし・・・・。

1回の表の守備に散る前に固く円陣を組み、いつものように気合いを入れて・・・・。

いよいよだ。

いよいよ決勝戦が始まるんだ。


神様・・・・。

みんな一生懸命に練習しました。

ここまで勝ち残らせてくれた神様には感謝しています。

でも・・・・この試合に勝たなきゃ甲子園には行けないんです。

だから、どうか青雲高校に力を貸してください・・・・!


グラウンドに散った青雲ナインの顔を1人1人思い浮べながら、わたしはそう何度もお願いをした。





「プレーボール!」


そのとき審判の声が響き渡った。


始まった。

とうとう始まった・・・・!


稜ちゃんを甲子園に、みんなを甲子園に・・・・神様、神様!
 

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