白球と最後の夏~クローバーの約束~
ポスッ。
・・・・取った!
取った!取った!取った!
この炎天下の下でもボールを見失わなかったセンターは、余裕でフライをキャッチ。
青雲ベンチは一気に沸き、応援席では応援団の太鼓が勢いよく打ち鳴らされた。
ワンアウト!
電光掲示板にはアウトのランプが1つ灯り、バッターボックスは2番バッターへと変わる。
たった3球で1人をアウトに討ち取った青雲ナイン。
あの西ノ宮から・・・・甲子園の常連校から早々とアウトを取った。
今日は全てがいい方向へ向いている気がするよ・・・・!
「余計な力が入っていないな、今日のあいつら。安心して見ていられるよ、この試合」
笹本先生がみんなを誇らしそうに眺めながら言った。
「はいっ!」
わたしも力いっぱい頷いた。
───・・笹本先生のこの言葉は、まさにその通りの結果を生むことになった。