白球と最後の夏~クローバーの約束~
Birthday・:*:・゚☆
「お前ら!! 遊びでやってんじゃねぇんだぞ、青雲の強みは攻撃じゃなかったのか!どうしたんだ、しっかり打て!」
8回裏の攻撃。
打席に向かう前、笹本先生はみんなの士気を高めるために、あえて厳しい檄を飛ばす。
「「「はいっ!」」」
みんなの疲れった顔、稜ちゃんの額から滝のように流れ落ちる大粒の汗、1人で投げ抜いてきた大森君の荒い息遣い・・・・。
もうとっくに限界を超えた中、みんなはなんとか気力をふり絞って声を出していた。
「ここまで来たんだ!なにがなんでも優勝旗を持ち帰るんだ!いいか!」
「「「はいっ!」」」
檄を飛ばす先生のほうも、ダラダラと大汗をかいている。
先生も、もうとっくに限界を超えているんだ・・・・。
声はガラガラとかすれ、顔には疲労の色が濃い。
それでもチームを思って、みんなを甲子園へ連れていきたくて、先生は先生にしかできないことをしている。
わたしには?
わたしには何ができる?
わたしには、わたしには、わたしには・・・・。
わたしにできることは何?