白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
わたしの言葉や応援で稜ちゃんたちが最高のプレーができるというのなら、わたしは喉が裂けても叫び続けるよ。


“大丈夫!信じてる!打てる!”

“わたしの心はいつでもみんなと一緒だからね!”

“みんなで甲子園に行こう!”


そう叫ぶよ、わたし・・・・。

最後の1球まで、信じることを諦めたりしない。

どんなときも、絶対に諦めないで信じるよ・・・・。





マウンドでは、西ノ宮の先頭打者をキャッチャーフライに倒す大森君のピッチングが光っていた。

肩を大きく上下させて息をする大森君は、本当に辛そうで・・・・。

わたしの胸は否応なしに苦しくなって、ギュッと締めつけられる。


ここまで120球を越えるピッチングをしてきたんだもの。

肩の疲労も半端じゃないし、体力だってもう限界。

ほとんど気力で投げていると言っても過言じゃないくらい、本当に辛そう・・・・。

でも、マウンドには、ボールを投げ続ける大森君がいる。

稜ちゃんを信じて・・・・みんなを信じて投げ続ける大森君が、マウンドには確かにいる。
 

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