白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「あと2人だよ!頑張ってー!」


わたしは力の限り、大森君に届くように声をふり絞った。


そうだよ。

わたしには“信じて応援する”、それがあるじゃない。

これも1つの形・・・・。


“One for all , all for One”


その形。

わたしはみんなのために・・・・!


次のバッターが打席に入る。

稜ちゃんの出したサインに大森君は大きく頷いた。


1球目・・・・ストレート!


ブンッ!


バッターは大きく空振りをし、勢いあまって転びそうになった。

西ノ宮も“負けられない”っていう気持ちは同じなんだ。

最後の攻撃に全身全霊をかけてバットを振っている。


神様、みんなに力を・・・・。

あと2人、あと2人で青雲の攻撃に変わるから。

それまで体力がもって、大森君!


2球目!


今度はカーブ!


ブンッ!


よしっ!これでツーストライク。


まだまだ大森君のコントロールは冴えている。球速だって衰えを知らない。
 

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