白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「キャプテンを信じて投げて!」


西ノ宮の悲鳴にも似た応援にかき消されないように、わたしも必死に声を出した。


3球目!


またストレート!


ブンッ!


「アウト!」


主審がそう叫んでアウトを取る。

西ノ宮の応援席からは落胆のどよめきが、青雲の応援席からは歓声と拍手が・・・・。


ツーアウト!あと1人!


ここに来てたった3球でアウトを取るなんて・・・・。

大森君のメンタル面は、計り知れないくらい強くなっている。

稜ちゃんも、大森君の余力を考えての絶妙なリード。

2人のあうんの呼吸がものを言うアウトの取り方だった。

このバッテリーはやっぱり、わたしが今まで見てきた中で最高のバッテリーだよ!


3人目のバッターが打席に入る。

心臓のドキドキがバクバクに・・・・そして、それがドクッドクッという嫌な音に変わっていく。

このバッターには、もう2回のヒットを許しているんだ。

2回とも得点には結びつかなかったけど、そのあとの西ノ宮はきわどいところまで攻めてくる。
 

< 375 / 474 >

この作品をシェア

pagetop