白球と最後の夏~クローバーの約束~
こくはく・:*:・゚☆
夕方になると、みんなは勝利の余韻に浸りながらそれぞれの家路ついていった。
「まだ信じらんねぇよ、俺・・・・」
「すげぇ先輩たちだよな」
「この学校に入ってよかったよ、俺・・・・」
1年生、2年生の部員たちが口々にそう言いながら部室を後にしていった。
「稜がキャプテンで本当によかった。高校最後の年に甲子園に行けるなんて・・・・。母ちゃんを喜ばせてやれるよ」
「俺は補欠だけど、稜が“みんなを甲子園へ”って言ってくれたとき、すげぇ嬉しかった。稜に付いてきてよかった」
「俺ら補欠組の夢も一緒に背負ってくれてありがとう。稜は最高のキャプテンだ!」
試合に出られなかった同じ3年生の部員たちからも、そんな言葉が稜ちゃんに贈られていた。
そして、その部員たちも、1人、また1人と帰っていった。
「頑張れよ、稜!」
岡田君は一言そう言って、稜ちゃんの背中をバシッ!と叩いて帰っていった。
本当、最高の仲間だね。
わたしは、その数々の言葉を聞きながら、もらった千羽鶴や部室の片付けをしていた。