白球と最後の夏~クローバーの約束~
でも、それが“カマをかける”ってことだったのかな?
う〜ん、わたしにはまだよく分からないよ・・・・。
「それが岡田がかけた“カマ”の正体だったんだよ。だから俺・・・・ふはっ!」
「りょ、稜・・・・ちゃん?」
今度は、口元を手で覆って思いっきり吹き出す稜ちゃん。
・・・・な、なんで?
稜ちゃんには、もうとっくにその意味が分かっているの?
「あ、ごめん!」
「う、ううん・・・・」
「んで、話を戻すけど、俺はまんまと岡田にハメられて。余計なやきもちいっぱい妬いたんだ」
「・・・・へっ?」
“余計なやきもち”
どういうこと?
「だからさ、岡田にモーションかけさせられたってことだよ」
「モーション・・・・」
「そ。そんな岡田の策略に気づいたのは、ずーっと後になってからだったけど」
・・・・??
わたし、バカなのかな。
稜ちゃんの言うことも、岡田君がかけた“カマ”のことも、さっぱり意味が分からない。
本当にさっぱり。
「要するに・・・・」