白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
でも、それが“カマをかける”ってことだったのかな?

う〜ん、わたしにはまだよく分からないよ・・・・。


「それが岡田がかけた“カマ”の正体だったんだよ。だから俺・・・・ふはっ!」

「りょ、稜・・・・ちゃん?」


今度は、口元を手で覆って思いっきり吹き出す稜ちゃん。

・・・・な、なんで?

稜ちゃんには、もうとっくにその意味が分かっているの?


「あ、ごめん!」

「う、ううん・・・・」

「んで、話を戻すけど、俺はまんまと岡田にハメられて。余計なやきもちいっぱい妬いたんだ」

「・・・・へっ?」


“余計なやきもち”

どういうこと?


「だからさ、岡田にモーションかけさせられたってことだよ」

「モーション・・・・」

「そ。そんな岡田の策略に気づいたのは、ずーっと後になってからだったけど」


・・・・??

わたし、バカなのかな。

稜ちゃんの言うことも、岡田君がかけた“カマ”のことも、さっぱり意味が分からない。

本当にさっぱり。


「要するに・・・・」
 

< 422 / 474 >

この作品をシェア

pagetop