白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
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やがて静かに夜やってきた。

静かに、見守るように・・・・。

空にはキラキラと満点の星が輝きだし、夏の夜空を演出していた。


そのキスのあと、照れくさそうに微笑む稜ちゃんの顔を見ながら、わたしはポロポロ涙をこぼした。

どうしても止まらなくて、止められなくて・・・・。

そうすると、少し困った顔になった稜ちゃんは、わたしの体を優しく引き寄せてくれた。

そして、髪を撫でたりギュッと抱きしめたりしながら、わたしが泣き止むまで待ってくれた。


部室でのとき、ものすごく恥ずかしくて死んじゃうかと思った。

でも、稜ちゃんにキスされたときは、嬉しくても死ねるんだって思った。

わたしの中は、稜ちゃんを好きになった瞬間から“稜ちゃん”で埋めつくされている。

そんな稜ちゃんとキス・・・・。


“好き”


気持ちが通じ合って涙を流した。

抱きしめられて涙を流した。

キスをされて涙を流した。

今日1日で、わたしはどれくらい泣いたんだろうね。
 

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