白球と最後の夏~クローバーの約束~
だからわたし、稜ちゃんの支えになりたいんだ。
稜ちゃんが稜ちゃんでいられるように、ずっとそばで支えたい。
一緒に夢の続きを見ていたい。
一番近くで、稜ちゃんの隣で、夢の続きを見守りたい。
「なぁ、百合。いいこと教えてやろっか?」
すっかり元に戻った稜ちゃんは、わたしにいたずらな笑顔を向けて聞いた。
「え〜? なになに?」
わたしもニコニコ笑顔。
稜ちゃんの“いいこと”が聞きたくて、体中がウズウズする。
「実は俺さ・・・・」
そう言って、稜ちゃんはわたしの耳に“いいこと”を打ち明けた。
「っ・・・・!!」
それを聞いたわたしは、ビックリしすぎて腰が抜けそうになった。
「すげーだろ?」
そう得意気に言う稜ちゃんは、13年前、初めて会った日の笑顔のまんま。
ちょっと“俺様”が入っている。
「あ、ありがと・・・・」
「だから、百合はもう俺からは逃げらんない」
「・・・・うん」
こんなことって・・・・ね?