白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
稜ちゃんの背番号【2】は、一生わたしの宝物です。

どうか稜ちゃんに、みんなに、四つ葉の幸運が訪れますように。

わたしは、今日も愛しいあなたに想いを寄せています。

そして、誰よりも強くあなたを信じることを誓います。





13年分の片想いを打ち明けてくれた日、真っ赤なゆでダコの顔で言ってくれたよね。


「百合が見つけてくれた四つ葉のクローバー、それがあるから俺は頑張れる」


まだ涙で稜ちゃんの顔がぼやけて見えていたわたしに、そう言ってくれたよね。

そして・・・・。


「だからさ、百合。これからもずっと、俺に───“四つ葉のクローバーちょうだい”───?」


こう言ってくれたよね。


わたし、いくらでも探すよ。

何百枚だって、何千枚だって、何万枚だって見つけるよ。


わたしは、稜ちゃんがいるから毎日を幸せに生きていられる。

稜ちゃんのおかげで頑張れる。

稜ちゃんを見つめるわたしは、もう弱いわたしじゃない。

わたしは“花森百合子”を、自分自身を好きになることができた。
 

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