白球と最後の夏~クローバーの約束~
いつもの・:*:・゚☆
「行くぞー!ファイッ!」
「オー!」
「ファイッ!」
「オー!」
「ファイッ!」
「オーッ!」
稜ちゃんが先頭に立ってグラウンドの周りをランニングしている。
いつもの放課後の、部活の時間。
わたしは、稜ちゃんたちがランニングする姿を眺めるのが日課。
もちろんマネージャーの仕事はしている。ただ今日はちょっと・・・・熱っぽい。
みんながランニングしている間に練習の準備は終わったから、今は少しだけ休憩中なんだ。
ベンチに座って稜ちゃんたちを見ていると、すごくあったかい気持ちになる。
キャプテンになってからの稜ちゃんは、前にも増して責任感が出てきた。
あ、ほら。
チラッと後ろを見ては、まだ入部して間もない1年生たちを気遣うようにひときわ大きく声を出す。
“頑張れ、ちゃんとついて来い”
そういう気持ちを大きなかけ声にして出すんだ。
稜ちゃんのすぐ後ろを走る同じ3年生のメンバーたちは、稜ちゃんのとった行動に笑顔になる。
最高のチームワーク。
最高の仲間。
最高の時間。