白球と最後の夏~クローバーの約束~
1人でうんうん頷きながら更衣室のほうへ歩いていくと、野球部の部室から出てくる人影が・・・・。
「・・・・おはよ」
わたしに気づいて、少し驚いた感じで話しかけてきたのは・・・・稜ちゃん。
どんどんこっちに近づいてくる。
「お・・・・オハヨ」
1人きりだと思っていたわたしは稜ちゃんを目の前に体が強ばる。
片言の日本語みたいなあいさつになっちゃった。
ビックリしたぁ・・・・。
野球部の部室とわたしが使っている更衣室は、目と鼻の先にあったりもする。
稜ちゃんは部室で着替えるけど、わたしは部室では・・・・ね。
だから、ほかの部たちも並ぶプレハブのほかに、女子専用の更衣室が設けられている。
更衣室へ向かうわたしと、着替えて部室から出てきた稜ちゃん。
日曜日の朝の学校は、チュンチュンとスズメのさえずりがこだまする、平日とはまた違う物静かな場所。
そこに2人きりだなんて・・・・。
わたしにとっては、口から心臓が飛び出ちゃうほどのドッキドキ空間に早変わりだよ。