〈続〉一年後 恋の攻防戦〜クールな彼とちょっとドジな彼女の攻防戦〜
砂羽さんが座っていた席に朝陽が座り、テーブルの上で固まっていた私の手を覆うように指を絡めて繋いできた。
「そこ砂羽さんが座ってて、戻ってくると思う」
砂羽さんに、まんまとはめられたと気がついたが、朝陽がなぜいるのかわからないので、素直になれないでいる。
「知ってる…今日一日砂羽さんに頼んだの俺だから」
「えっ」
「まさか、ここまでお膳立てしてくれるとは思っていなかったけどな…そのドレス似合ってる」
そう言い、私の頬を撫でる朝陽の表情は、照れを隠した笑いだった。
「少し歩かないか?」
自然と手を引かれて歩き、折々、私を見つめ緊張している様子の朝陽が連れてきてくれたのは、屋上庭園で、ライトアップされた樹々の中を歩いていく。
そして、中央にある噴水前で立ち止まり、繋がれていた手が離される。
ポケットから光る指輪を出した朝陽は、私の左手を取り薬指にその見覚えのあるリングをはめていく。
あまりの突然のことに頭がついていかず、あわあわとするだけの私に、苦笑する朝陽は手を握り懇願する。
「俺と結婚してください」
シンプルなのに、心に響く朝陽の声に嬉しくてコクコクと頷くだけしかできない。
「莉子、愛してる」
「私も」の声は、彼の唇の上だった。
「そこ砂羽さんが座ってて、戻ってくると思う」
砂羽さんに、まんまとはめられたと気がついたが、朝陽がなぜいるのかわからないので、素直になれないでいる。
「知ってる…今日一日砂羽さんに頼んだの俺だから」
「えっ」
「まさか、ここまでお膳立てしてくれるとは思っていなかったけどな…そのドレス似合ってる」
そう言い、私の頬を撫でる朝陽の表情は、照れを隠した笑いだった。
「少し歩かないか?」
自然と手を引かれて歩き、折々、私を見つめ緊張している様子の朝陽が連れてきてくれたのは、屋上庭園で、ライトアップされた樹々の中を歩いていく。
そして、中央にある噴水前で立ち止まり、繋がれていた手が離される。
ポケットから光る指輪を出した朝陽は、私の左手を取り薬指にその見覚えのあるリングをはめていく。
あまりの突然のことに頭がついていかず、あわあわとするだけの私に、苦笑する朝陽は手を握り懇願する。
「俺と結婚してください」
シンプルなのに、心に響く朝陽の声に嬉しくてコクコクと頷くだけしかできない。
「莉子、愛してる」
「私も」の声は、彼の唇の上だった。