〈続〉一年後 恋の攻防戦〜クールな彼とちょっとドジな彼女の攻防戦〜
ほとんど帰らない私の部屋は、あるだけ無駄だと思うのに、『お互いに1人の時間は必要だろう』という彼の言葉に同棲にまで踏み込めないまま、半同棲状態の朝陽の部屋に、当たり前のように帰って来ている。
着替えもせずにソファに座り、ヒールで疲れた足をすぐにマッサージしていたら、フォーマルスーツの上着を脱き、ネクタイを緩めながら横にドサっと座った朝陽。
目を閉じて、ソファの背に寄りかかり上を見た彼は、何を思っているのだろう?
「幸せオーラにのぼせそうだったね」
「あぁ、そうだな。のぼせるかと思うほど、熱々ぷりに当てられたな」
「ねぇ」
「なんだ?」
(私達の先には、結婚する未来があるの?)
「…あの2人より幸せって感じさせて」
朝陽の膝を跨ぎ、彼の肩に手をかけ懇願する。
「あぁ…めちゃくちゃに感じさせてやるよ」
頭部を押さえられ、下から噛みつくように荒々しいキスで唇を塞がれていく。
ドレスの上を弄る手は、いつになくせっかちで、おろしきれていないファスナーを強引にドレスごと下げ、露わになった肌を朝陽の唇が艶かしく這っていく。
朝陽の強引な行為に組み敷かれ、その間だけ他人の幸せを羨む余裕もなく、わけのわからない熱に夢中になっていった。