〈続〉一年後 恋の攻防戦〜クールな彼とちょっとドジな彼女の攻防戦〜
「そんな理由なら、愛してるって言葉だけで繋ぎ止めれるだろう」
「男と女は違うだよ。愛してるって言葉だけじゃ物足りなくなる。その先の結婚を意識するんだ。メリットとか言ってないで、一生手放せないか考えてみろ」
「わかりきったこと言うな。手放せないに決まってる」
「愛していてもいつか、お前との未来のない関係に諦めた莉子ちゃんが、ほかの男の元に行っても平気でいられるのか?」
「考えただけで狂いそうだな」
「なら、メリットとか言ってないで、真剣に莉子ちゃんとの未来を考えてみろよ」
あいつの説教が俺を悩ませる。
帰ってきた早々に、はっきりと口に出さないが、莉子は今日の結婚式を羨ましがっている様子。
莉子との未来か…
結婚にこだわらなくても、俺は莉子を手放す気はない。
でも、こいつは…俺から離れていくんだろうか?
「…あの2人より幸せって感じさせて」
珍しく莉子から膝を跨ぎ、懇願する。
まるで、俺との未来への不安を消したいかのように…
「あぁ…めちゃくちゃに感じさせてやるよ」
不安を忘れるほど愛してやる。
だから
今はまだ
俺の決心がつくまで
愛されてろ…
眠る莉子に、未来への誓いのキスを唇にのせた。