〈続〉一年後 恋の攻防戦〜クールな彼とちょっとドジな彼女の攻防戦〜
「…そうなんですね。あっ、私」
「桃寺 莉子さんですよね。朝陽から毎日惚気られてます。まさか、あの朝陽が彼女を作るなんて信じられないって同期で噂してましたから、どんな方だろうと楽しみにしてたんだけど…こんな小さくて可愛らしい方だったなんて、今までにないタイプの女性で正直驚いたわ」
「絵美、余計なこと言うなよ」
「あら、いいじゃない。後腐れのないタイプとの遊びは辞めて、選んだ女性は、守ってあげたくなるタイプだったってことでしょ」
「いらない情報ばらしてくれて、サンキュー」
「いーえ、どういたしまして!ほら、眉間にシワ寄せて怒らないの」
隣で聞いていて、モヤモヤして気分が悪くなる。
なんなの?
馴れ馴れしく朝陽って何度も呼びすてにして…朝陽も朝陽だよ。同期だからって、彼女の前でほかの女性と
仲良くじゃれてるなっ…
ガタンと音を立てて、立ち上がり「じゃあ、お先」に
と朝陽の顔も見ずに返却口へ向かおうとすると
「あら、おこらせちゃたかしら?」
えぇ、気分最悪ですよ。
「いえ、もう食べ終わりましたし、同期同士のお邪魔しちゃ悪いので、気にせずゆっくり休憩してください…黒岩君行くよ」