初恋ラプソディ
「あの、曲はどうするんですか?」

アンサンブルとなると、編曲も必要になると思う。

「森宮は、やってみたい曲はある?」

「ええ?
急に言われても浮かびませんけど…
吹奏楽の曲とか。」

「ああ、それもいいな。
ただ、新しい曲は編曲許諾料が
高いんだよな。」

「え? そうなんですか?」

知らなかった。

「うん。
編曲と演奏で2〜3万円取られたりする。
いっそクラッシックなら無料なんだけど。」

「そんなに!?」

「じゃあ、宿題!
森宮は、まず親を説得すること。
次に、弾きたい曲を考えてくること。」

そう言うと、奏先輩は優しい笑顔で微笑んだ。

「はい!」

返事をした後で気づいた。

私、やることになってない?

でも…

うん。

奏先輩みたいに上手な人とアンサンブルできる機会なんて、もう二度とないかもしれない。

だったら、胸を借りるつもりで頑張ってみよう。
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