初恋ラプソディ
EFソロは、奏先輩の「流転の王妃」を弾かせてもらう事にした。

自分で試行錯誤して音を作っていく。

練習は大変だけど、奏先輩が中2の時に弾いた曲。

私も中2で弾けないはずがない。

そう、自分で自分を鼓舞して練習を頑張る。

もちろん、勉強も。


吹奏楽部では、吹奏楽コンクールに向けての練習が始まった。

私はさりげなくオーボエソロパートも含めて練習する。

先輩を差し置いてソロを演奏するなら、絶対半端な演奏はできない。



奏先輩は、約束通り、毎週、うちに来てくれた。

先輩の書き下ろした楽譜はまだ未完だけど、とても素敵で完成がとても待ち遠しかった。

2人でパート分けをしたり、音を作ったり、そんな作業はとても楽しかった。

楽しい作業の後は、勉強。

嫌いなはずの勉強が、奏先輩と一緒だと楽しくなる。

奏先輩は、勉強と言うより、勉強法をたくさん教えてくれた。

だから、奏先輩といる時はもちろん、普段も効率よく勉強ができるようになった。


そうして迎えた学年末テスト。

私は全部の解答欄を埋めることができた。

あとは野となれ山となれ。

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