初恋ラプソディ
三日間の研修を終えた私たちは、また船とバスで帰路に就く。

翌日は土曜日なので、学校は休み。

部活も休息を取らせるようにとの学校からの指示で、2年生のみ休みになっている。

私は、のんびりとエレクトーンの練習をして午前中を過ごした。

午後は、勉強をする。

二期制のうちの学校では、来月、中間テストがある。

今から頑張らないと、私の頭じゃ間に合わない。


ピンポン♪

夕方になり、部活を終えた先輩が来てくれた。

「奏先輩!」

私は玄関を勢いよく開ける。

「美音、こんにちは。」

「どうぞ。」

奏先輩はいつものように、私の部屋に入ると、私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「研修どうだった?
楽しかったか?」

「うん。
砂像造りでね… 」

私は楽しかったことを奏先輩に話す。

「でね、シュノーケリング中に足が
つってね」

そこまで言って言葉が止まった。

「美音?」

「ううん、何でもない。」

他の子に告白されたって言ったら、奏先輩に嫌われる?

「ん? 足がつってどうした?」

「同じ班の子が助けてくれたよ。」

私は、友哉の事は言わない事にした。
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