不眠姫と腹黒王子~番外編~
追い付けない影
立山さんside: 失恋のあと
私の王子様が
奪われた。
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私の名前は立山沙也加。
学園の王子様、宮恭介くんにずっと想いを寄せている。
ずっと!ずっとだ。
一年生の入学式で一目惚れしてからずっと!
なのに…それなのに…!
「『高山さんなんか』?
お前、何様?」
宮くんにそう言われ、高山さんと付き合ってる宣言をされた…
のが、つい先週。
それからショックで数日学校を休み、
今日…
久々に登校してみれば…
「み~や!
今日お弁当作ってきたから一緒に食べよう。」
「マジか。サンキュー。」
「お礼は宮吸…「却下。」
「ひどい。そんなこと言うなら付きまとってあげないぞ。」
「是非。」
「ほんとは付きまとわれて嬉しいくせに。」
「うっせぇ…」
「照れてる、ださ。」
私は何を見せられてるんだ…
ようやく立ち直った傷が…!
メキメキと開いていく…
というか、宮くん…
すごい口悪くない…?
私が失恋した日はイライラしてたとかだと思ったけど、もしやデフォ…?
この疑問は、その日の午前中には解決した。
主に宮くんとクラスメイトの会話で。
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