不眠姫と腹黒王子~番外編~


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放課後ーー


「いい?高山さん来たら私質問するから、
なんかボロ出したら突っ込んで。」
「わかった。」

友達と一緒に校舎裏で高山さんを待っていると、数分後にヤツは来た。


「立山さん、佐々木さん。
待たせてごめん。迷った。」
「いや、来てくれてありがとう。
ちょっと聞きたいことがあってさ。」

高山さんは「なに?」とおとなしく私の次の言葉を待っている。
余裕でいられるのも今のうちだよ…

「宮くんと付き合ってるんだよね?」
「うん。」
「どうして宮くんと付き合えたの…」
「え、お互い好きだったから。」
「っ…」

この子、私のことおちょくってんの!?
当たり前でしょ、みたいに言って…
ホント腹立つ。

「なんで宮くん、急にあんな性格悪くなったわけ!?
高山さんと一緒にいるからイライラしてるんじゃないの?
匂い嗅いだり付きまとったり…絶対迷惑してる!」

「えっ……
宮はもともと性格悪いよ。」

「はぁあ!!!??
そんなわけないでしょ!
宮くんは王子様なの!
あんた今まで何見てたわけ…!?」

「何も見てないのは立山さんでは?」

「っつ…!!!」


バチンッッ!


校舎裏に乾いた音が響いた。

「ちょ、さやか…!」

「高山さんが何をわかってるの!
不思議ちゃんキャラ目指してんのか知らないけど、全っ然可愛くないから!」

「……」

「なんで…」

鼻の奥がつーんと痛む。
こんなやつの前で泣きたくないのに、
涙が込み上げる。

「なんで…高山さんなんかにとられなきゃいけないの…」

「立山さん…」

高山さんは無表情で私を見つめている。

うざ。
何その顔。

優越感に浸ればいいじゃん。
同情でもなんでもすればいいじゃん。


ああ、私かっこわる。
泣いて、暴力奮って、ホント最悪…


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