不眠姫と腹黒王子~番外編~
宮んち
円side: 弟
「円っ、走れ!」
「うんっ…」
6月ーー
梅雨の季節。
土曜日に私と宮は図書館で受験勉強デートをしていたら、
帰り道雨に降られた。
傘を忘れた私たちは慌てて走っている。
「みっ宮!
どこ向かってるの?」
「俺んち。」
「っえ!?」
今俺んちって言った!?
「お前んちより近いだろ。
急げ。雷鳴ってる。」
宮は私のドキドキなんてお構いなしに
私の手を引いて走る速度を早めた。
「ちょ…待…」
待って。
本気で待って。
ドキドキ…ドキドキ…
私には…
運動不足の私にはこの速度無理…!!!!
とうとうついていけなくなった私は、
足がもつれ
濡れないために走っていたのに、
水溜まりにダイブして今世紀最大に濡れた。