不眠姫と腹黒王子~番外編~
「お前はアホか!!!」
「え?」
宮が口をパクパクさせて何かを言いたそうにしている。
「ハハッ…その様子じゃ兄ちゃんまだヤッてないんだ。」
「っ!!」
恵介くんの言葉を聞いて、すぐに宮は弟の頭をひっぱたく。
「いってぇ~!図星!」
「黙れクソガキ。」
「まぁまぁ。
兄弟喧嘩もほどほどにして。
宮はお風呂入っといで。」
「っ、お前なぁっ…!」
宮は私に怒号を飛ばしかけて、
はぁっとため息をついて力を抜いた。
「はぁ。もういいわ。
円。適当にその辺座ってて。」
「うん。」
「恵介!!」
「何?」
宮は恵介くんにずいっと迫り、怖い顔で言った。
「円に指一本触んなよ。」
「ふぁーーい。」
恵介くんはさっきの私みたいに気の抜けた返事をした。
宮は渋々お風呂へ早歩きで向かっていった。