ちっちゃくなっちゃいました(吐血)
「だから落ちるって!翔!」
「あれ取ってぇっ!」
そう言って泣き叫び始める翔。
起きたらちっちゃくなってて可愛いんだけど、なかなか面倒くさい。
見た目とやることは3歳児なのに、中身は翔そのまんま。
どういうことなんだよこれ…。
お母さんって大変なんだなぁ…。
愛が来るのを待っている間も、翔はびゃーびゃーと泣くのを止めない。
「あれ取って」とはスマホのこと。
だって渡したら絶対変なことストーリーに載せるもん。
嫌な予感しかしない。
「美優のばーか!」
「はぁ!?」
「ばーかばーか!!ばぁぁか!!!」
うわぁ、典型的なやつやん…。
どうするべきか…。
そしてまたびゃーびゃーと泣き始めた。
と、とりあえず抱っこしてみるか…?
「しょ、翔?こっちおいで?」
翔の前で両手を広げると、まふくんはピタリと泣き止み、私の方をじーっと見てくる。
あっやべ、これやっちゃいけないやつか?
やべぇどうしよう、と思考を張り巡らせていると、翔がモゾモゾと近づいてきた。
そしてさっきまで泣いてたのが嘘みたいにニカッと笑って両手を広げてきた。
かっ…かっっ…!
「かっっっわいいっっ!!!!!!!」
私は翔を抱き上げて、ぬいぐるみのようにぎゅうっと抱きしめる。
なんなんだこの天使っ!!!!!
罪深すぎるだろっ!!!!!
「苦しい!美優苦しい!!」
____ガチャッ。
翔がじたばたと私の腕の中で動いていると、玄関の扉が勢いよく開いた。
「美優ちゃんちょっとウチの朔見て!?」
「いや先にウチの翔見て!?」
「せめてインターホン押してから入って!?」
愛が差し出してきた朔はちっちゃくて、そりゃあもう可愛い。
可愛いの塊。
天使以上の天使。
玄関の前で愛ときゃあきゃあ騒いでいると、手首をがぶっと噛まれたのでリビングに移動した。
地味に痛かったので元の姿になったらやり返します。