時枝君の恋愛指南
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それにしても…
と、一週間前を振り返り、改めて思う。
この一年…不自由ながらも、比較的平穏だった日々に、突如訪れた、悩める一匹の子羊。
ちょっとした人助けのつもりで、軽く引き受けてしまった自分。
…今考えれば、俺はこの時から彼女に惹かれていたのかもしれない。
現状を考えれば、こんなリスキィなことは引き受けるべきじゃなかったのに、何故か受けない選択肢は無かったように思う。
どの道、あの時の萌は、俺が引き受けなくとも”琉星”の為に諦めたりせず、他の男性に協力を求めただろう。
それを無意識に阻止しただけでも、俺の選択は間違ってはいなかった。
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