病んでる僕と最強の勇者たち
「明彦君は自分に自信を持っていいんだよ。

だって明彦君はリリーたちと同じ、LV99のステータスを持っているんだから。

それに賢者という上級職につけるのは、選ばれたエリートだけだよ。

明彦君はリリーよりも能力的には高いんだよ」



このヘタレな僕がリリーよりも上?



そんなあり得ない設定を聞いて、僕は勇気づけられていた。



「さぁ、明彦君。

その右手に魔力を込めて、一気に放出してみて。

明彦君なら簡単にモンスターを倒せるはずだよ。

明彦君は、最強の賢者だから」



敵のモンスターたちは、僕の目の前に迫っていた。



僕はひりつくような緊張感の中で、唾をごくりと飲み込み、覚悟を決めた。



(僕の方がリリーよりも能力は上……。

僕はリリーのその言葉を信じる!)



僕は右手に魔力を込め、自分が使える最強かつ唯一の魔法を全力で唱えていた。



「くらえ、ビッグメラメラ!」



僕が全力で魔法を唱えた次の瞬間、僕の世界に奇跡が起きた。



僕の手のひらからリリーにも負けないような巨大な炎が飛び出し、前方の敵を焼き尽くしていった。



僕は自分の中に眠っていた内なる強さに気づいて、体が震えるほどに興奮していた。
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