病んでる僕と最強の勇者たち
セクシー吸血鬼、ドロレス・ミラー
ブライアンとマギーはお城の東側の大地で、溢れんばかりのモンスターたちと向かい合い
、真横に並んで剣を構え、いつでも敵と戦える体勢を整えていた。



「これだけ敵がいればたくさん斬れるぞ、マギー。

久しぶりにマギーの重殺剣が見れるなぁ。

ってかさ、そろそろ技のレパートリーを増やせよ」



「余計なお世話だ。

私は自分の一番得意な技で、一撃必殺を信条として戦っている。

そんな私の信条に背いて、簡単に戦い方を変えられるか!」



「相変わらず、頑固だねぇ。

オレなんて、剣も魔法も使える万能タイプで、戦い方もコロコロ変えるのに」



「私はそんな軟派な戦い方を好まない。

私が剣士である以上、私は正々堂々、正面から敵を斬る!」



ブライアンはいつもと変わらぬマギーの戦い方に、面白味を感じて笑っていた。



ブライアンは剣も魔法も使える万能タイプだが、マギーは剣しか使えず、しかもその剣の攻撃は上段からの振り下ろしと、中段からのなぎ払いしかなかった。



マギーはどんなに苦戦を強いられることがあっても、今までこの戦い方を変えることは決してなかった。



そんなマギーは不器用だけど、人一倍の努力家で、たった2パターンの攻撃のみで、最強の称号を手に入れた剣士だった。



ブライアンは自分とは全く違うタイプのマギーに、いつも一目置いていた。
< 118 / 239 >

この作品をシェア

pagetop