病んでる僕と最強の勇者たち
「リリー、敵は倒したよ。

もうあの巨大なクモのモンスターはいなくなった」



僕がリリーにそう言うと、頭を抱えて下を向いていたリリーがゆっくりと顔を上げて、僕に潤んだ目を向けていた。



「明彦君、本当にクモはいなくなったの?」



リリーが不安そうにそう言ったとき、僕は思わず笑っていた。



「うん、本当にいなくなっよ。

僕が魔法で倒したから」



「ありがとう、明彦君。

リリーはクモがとっても苦手なんだ……」



リリーはそう言うと、ちょっと恥ずかしそうに首をかしげて微笑んだ。



僕はそんなリリーを見て、笑っているリリーはかわいいなぁと、素直に思った。



リリーがピンチのとき、僕はいつでもリリーを助けたい。



リリーはこの異世界で出会えた僕の大切な仲間だから。
< 132 / 239 >

この作品をシェア

pagetop