病んでる僕と最強の勇者たち
「おい、ガキの賢者と魔法使いの小娘。

オレに出会ったのが貴様たちの運の尽きだ。

貴様らではオレには勝てん。

貴様らはオレの魔族の剣で、首をはねられ死ぬだろう」



エドモンドの不気味な声が銀色の兜の中から聞こえてきた。



僕は自信たっぷりに僕たちを殺すことを宣言してきたエドモンドに恐怖を感じていたが、リリーはいつもと変わらず強気で、エドモンドに言葉を返していた。



「鎧の人がいくら強くても、リリーの方が絶対に強いもん。

リリーはね、世界で一番の魔法使いだから、絶対に誰にも負けないんだもん」



リリーはそう言うと、エドモンドと戦う気満々で、魔法の杖に魔力を込めていた。



「ハハハッ。

魔法使いの小娘ごときがこのオレに勝つだって?

おもしろい!

できるもんならやってみろ!」



エドモンドがリリーを挑発すると、リリーの顔が怒りに満ちてきた。



僕は怒ったときのリリーの怖さを知っていた。



そしてきっと鎧の騎士、エドモンドはリリーに暴言を吐いたことへのツケを払わせられるだろうと、僕は心の中で予想していた。
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