病んでる僕と最強の勇者たち
「よくもリリーの魔法を……。

リリーの魔法は世界一なのに……。

リリーの魔法は最強なのに……」



リリーは怒りを込めてそうつぶやくと、魔法の杖に再び目一杯の魔力を貯めていた。



僕は渾身の魔法を跳ね返され、冷静さを失っているリリーに、全力で叫んでいた。



「止めろ、リリー!

エドモンドの魔鏡の盾は魔法を跳ね返すんだよ!

リリーの魔法はまた跳ね返される!」



僕がそう叫んだその声が、リリーに届いたかはわからなかった。



そしてリリーは心の底から沸き起こってくる怒りに任せて、全力で魔法を唱えていた。



「くらえ、風系の最強魔法。

ビッグトルネード!」



リリーがそう叫んで魔法を唱えると、巨大な竜巻がリリーの魔法の杖から飛び出して、エドモンドへと襲いかかった。



でもエドモンドは少しも動じることなく、また魔鏡の盾を全面に突き出し、リリーに向かって叫んでいた。



「バカな魔力使いめ!

この魔鏡の盾の前で魔法は全くの無力であることを、このオレが教えてやろう!」



エドモンドがそう言った直後、また巨大な竜巻の一部がエドモンドの魔鏡の盾に激突した。



すると、リリーが放った巨大な竜巻が魔鏡の盾に集約されいき、魔鏡の盾からリリーが放った魔法と同じ、ビッグトルネードが飛び出していった。
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