病んでる僕と最強の勇者たち
「ハハハッ。

おもしろいな、ガキの賢者!

オレ様の言葉を否定したいのなら、このオレ様を倒してみろ。

強者の言葉がいつだって正解だ。

弱者の言葉は誰の耳にも届かないんだ!」



エドモンドはそう叫ぶと、大きな黒い馬と共に僕の方へと突っ込んできた。



そして僕に命の危機が迫る現状で、僕は少しも恐怖を感じていなかった。



賢者という選ばれた者のみなれる職業は、魔法だけでなく、剣も巧みに使いこなせる。



僕は子供の頃に憧れていた賢者の姿に、今の自分を重ねていた。



そして、僕が子供の頃に憧れていた賢者なら、きっと勇気を振り絞って、敵に立ち向かい、その敵を倒すだろうと僕は思った。



僕には剣で敵を倒した経験がない。



でも、僕にならきっとエドモンドを倒せるはずだ。



なぜなら僕は、この異世界に転生してきた最強の賢者だから。



そんな僕が、敵の幹部なんかに負けるはずがないから。
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