病んでる僕と最強の勇者たち
「おのれ、ドロレス!

よくも私の剣を……」



マギーは自分の剣をかわされた悔しさで、ギッとドロレスをにらみつけた。



「今のスローモーションの剣は、もしかして私を斬ろうとしてたの?

あんな大振りの剣は、まぐれでも私に当たらない。

残念だけど、あなたじゃ私に勝てないわ」



「黙れ!」



マギーはドロレスに剣を向けて一喝した。



「我が重殺剣は一撃必殺の剣。

私は今までこの技のみで敵を倒してきた。

謂わば我が重殺剣は、私の信念。

お前も我が重殺剣で、一撃で葬り去ってくれよう」



マギーとドロレスに緊迫した空気が流れる中、ブライアンが情けない声でマギーに話にかけてきた。



「マギー、助けにきてくれたのか?

オレはドロレスに血を吸われて、そしたら気持ち良くなってきて、抵抗もできずに……」



快楽に溺れ、目をトロンとさせながらそう言ってきたブライアンは、傍目にはダメな勇者に見えるだろう。



でも、マギーとブライアンは深い信頼で結ばれていて、マギーはどんなにダメなブライアンを見ても、ブライアンの強さを信じていた。
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