病んでる僕と最強の勇者たち
「不器用な剣士は哀れなものね。

攻撃パターンを読まれているのに、愚直にそれを繰り返すなんて。

そんなおバカな剣士さんを、私がデーモンズクローで斬り刻んであげるわ」



ドロレスはそう言うと、今度は自らマギーの方へと突っ込んできた。



マギーはそんなドロレスを見て、一撃必殺の剣を上段の構えから振り下ろした。



でもドロレスはそんなマギーの攻撃をひらりとかわし、鋭く尖ったデーモンズクローでマギーの胸を斬り裂いた。



「ドロレスがマギーの胸を……。

おのれ、ドロレス……。

マギーの国宝級の胸になんてことしやがる!」



回復魔法で体力が回復したブライアンがそう言って立ち上がった。



そしてブライアンはマギーの元に駆け寄り、マギーのとなりで剣を構えた。



でもマギーは、そんなブライアンに厳しい声で言い放った。



「この戦いは、私とドロレスの一対一の戦い。

助太刀は無用だ、ブライアン」



「でも、マギー……」



「何度も言わすな。

助太刀は無用だ、ブライアン!」



ブライアンはマギーの気迫に押されて、剣を収めた。



マギーは戦いにおいて、何よりも美学を重んじる。



ブライアンはそんなマギーの気持ちを理解して、大人しく引き下がった。
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